11月15日 (水)  129号

 NHKに対する命令放送問題が大きな論議をよんでいます。総務大臣は、放送法の手続に従い、すでに命令をだしていますが、いまだに新聞協会の抗議など、この問題は尾を引いています。私は自民党の通信・放送産業高度化小委員長として、命令は法律に基づくものであり、大臣としてそれなりの熱意は認められるので、了承しないことは穏当でないとして、党内多数の反対論を抑えました。
 私も総務大臣在任中、平成13年度、14年、15年度の3回、年度当初に命令を発しましたが、いずれも、@時事、A国の重要施策、B国際問題に関する政府見解、の3事項について放送を実施することを求めた抽象的な命令で、NHKの編集権に配慮し、個別具体の番組内容にまで踏み込んでいません。
今回は、年度途中に、3事項の放送において拉致問題に留意することを、追加で命令したという点が異例です。
 いずれにせよ、命令という表現は、報道・放送にはなじまないし、国費を出しているから命令放送だという今の仕組みがよいとも思えません。NHKの国際放送のあり方すべてを見直そうというこの時期に、命令放送も対象の一つにすべきです。