11月24日 (金)  132号

 政府税調の論議が賑やかに報じられていますが、11月27日(月)から、真打である自民党税調の論議がスタートし、12月中旬の与党の来年度税制改正大綱の策定まで、連日ハードな論議が続きます。ところで、わが国の経済と財政を持続的に発展させるためには、経済成長を重視することは当然ですし、グローバル化のなかで、わが国企業の生産性の向上と国際競争力の強化を図ることは当然ですが、最近、中立であるべき立場の人達がこの路線を税制の問題だけに集約して、企業減税論の旗を振っているのは気になります。
 そもそも、企業の負担は税だけではない、国際比較をするなら社会保障と労働保険、人件費や地価など有形無形の負担をトータルで行うべきです。また、税制も法人税制だけでなく、全体の税のバランスで考え、法人税を減税するとすればその財源をどうするのか、わが国財政は4割以上が借金で賄われていることにも十分留意すべきでしょう。また、来年からは定率減税も全廃され、個人は負担増となる一方で、法人の減税論ばかりが出ることを国民が理解できるかです。そういう諸々を前提に、税制の抜本的・一体的改革のなかで法人税制の議論を大いにするなら、私も賛成です。