3月31日 (金)  64号

 自民党財政改革研究会のP.T.は、国の財政再建に向けて総額112兆円を上廻る政府資産の圧縮を盛り込んだ中間報告を発表しました。中間報告によると、特殊法人や地方自治体などへの貸付債権を小口化し、証券として市場へ売却するものが100兆円超、庁舎や公務員宿舎など国有財産を民間から有効活用策を募集して売却するなどで12兆円超の収入を見込んでいます。
 この案が全く間違いだとは私も思いませんが、実現性や財政再建への効果となると、かなり問題です。100兆円の証券化の方は、財投債の償還には充てられますが、普通国債残高の圧縮にならないばかりでなく、証券化する機関や商品によってはかえって数兆円の国損を生む恐れがあります。12兆円の売却の方も利便性の高い場所以外では買い手がつかない可能性が強い。112兆円という大きな数字が一人歩きして、無用の誤解と混乱を生むことだけは避けたいものです。