5月3日 (水)  73号

 米軍基地再編に絡み、在沖縄海兵隊のグアム移転経費の取扱いが注目されています。マスコミの一部には、この移転は、米軍の世界戦略の一環なのだから、日本が負担しなくてよいという主張がありますが、今回の移転は、もともと沖縄県にある米軍施設区域の整理・統合・縮小という負担軽減の強い要望と抑止力の維持という両面を考え、政府が米側に積極的に働きかけて勝ちとったものですから、そうはいきません。
 米軍が、日本国内で部隊を移転する場合、日米安保条約に基づく地位協定で、その費用は基本的に日本が持つことに決まっています。今回は日本国内に適地がないため、海外に移転しますが、海兵隊の任務には依然として日本を守ることが入っていますので、海外だから負担は別だということは理由にならないでしょう。
 額賀防衛庁長官がワシントンに乗り込んでラムズフェルド米国防長官と合意した負担割合は、全体が102.7億ドルでわが国が約59%の60.9億ドルを負担、しかし、真水(財政支出)は28.0億ドルを上限とし、米側の31.8億ドルを下廻るものですから、総合的にみれば、まずまずの妥当な結論と考えます。