7月21日 (金)  96号

 北朝鮮のミサイル発射に絡んで、額賀防衛庁長官は、「敵国が確実に日本を狙って攻撃的な手段を持っている場合国民を守るために最低の装備を持たなければならない」と述べ、敵基地攻撃能力の保持を検討すべきだとの問題を提起し、大きな話題となりました。
 これは古くからある議論で急迫不正の侵害がおこなわれた場合の敵基地攻撃について、昭和31年に鳩山内閣は、「座して自滅を待つべしと言うのが憲法の趣旨とするところだとは考えられない」との統一見解を示しています。
 法理的には自衛権の範囲内に含まれ攻撃することは可能です。
 しかし、日本は今まで憲法を尊重し、こうした能力を保持して来ませんでしたし、また、持つとすればコストとリスクなどそう簡単にはいきません。
 さらに米が「矛」、日が「盾」という役割分担の日米安保体制をどう考えるかという問題も出てきます。
 だからと言って国家として大きな政治判断が必要なこの問題を封印せず、この機会にしっかり議論することは、私は大きな意味があると考えます。