7月7日 (金)  92号

 7月5日、北朝鮮は、未明から朝までに6発のミサイルを発射したのに続き、夕方にも7発目を発射しました。いずれも、日本の国土から500〜700キロ離れた日本海に落下したとみられ、被害は今のところ確認されておりません。発射準備の動きは5月から判り、関係国は北朝鮮に発射の自制を求めて来ました。私自身も北京訪問の際、6者会合の議長である中国政府の武大偉外交部副部長に、「貴方がしっかり話して止めて欲しい」と要請し、武氏も「努力します」と答えています。今回の行為で、これまで北朝鮮との融和策を探って来た、中国、韓国のメンツをつぶし、国際社会全体を敵に回す、まさに合理的理由なき暴発です。アメリカを直接交渉の場に引出したいからという見方もありますが、アメリカが受入るわけはありません。
 日本政府は直ちに、万景峰号の入港6か月禁止や、人的交流の抑止などの経済制裁に踏切り、与党もそれを支持しました。今後、国連安保理での非難決議や制裁の論議が進む見込ですが、北朝鮮を窮地に追込むだけの今回の行為について、北朝鮮は何を考えて行ったのか、全く理解に苦しみます。