1月5日 (金)  第144号

 このところ、耳馴れない「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉がメディアに登場しています。この言葉は、昨年末に出された労働政策審議会・分科会の報告書でその導入が提案されたものですが、要は、1日8時間、週40時間の労働時間規制が適用されず、働く時間が自由裁量になる代わりに、残業代が支払われない制度のことで、米国などにあり、「管理や運営、企画などの仕事をする労働者を対象とした適用除外」の意味です。政府は、その対象として、管理監督者の一歩手前で、年収が800万円から900万円程度以上の者を検討していると言われています。
 確かに、現在は、就業形態が多様化し、高付加価値で創造的な仕事が増え、自由度の高い働き方が見られますし、ホワイトカラーの一部に要望も強いようですから「ホワイトカラー・エグゼンプション」も選択肢の一つという意味では導入を是認せざるを得ませんが、問題点も多く、使用者側・労働者側双方の考え方と運用如何によっては、正に「双刃の剣」となる恐れがあります。