3月2日 (金)  160号

 先だって、私は知人の勧めで家内と二人、久し振りに映画を鑑賞しました。全く事前の知識なく、見た映画の題名は、「不都合な真実」。この無粋な名前が逆に映画の中味に合っています。米国のアル・ゴア前副大統領が地球温暖化防止への取組を訴えるドキュメンタリー映画で、映像が要領よく、ゴア氏の想いがよく判り、説得力がありました。この映画がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞と主題歌賞を受賞、ビックリしましたが、日本語版の本もよく売れているようです。
 これからのポイントは、京都議定書の第一約束期間以降、つまり2013年以降の地球温暖化の次期枠組みをどうするかにあり、最大の排出国である米国は京都議定書を批准せず、経済発展の著しい中国、インドなどの途上国は削減義務なく、削減義務を負うのは、主として日本とEUで排出量は世界全体の30%、これらの国が京都議定書を遵守しても削減量は1990年の総排出量の2%にしか過ぎません。早急に米国、中国、インドなどを巻込んで、地球全体でCO2排出量を削減する仕組みが必要です。来年は、わが国がG8サミットの議長国ですので、この問題で強力なリーダーシップが発揮できれば日本の評価は大いに上がると思われます。