6月12日 (火)  189号

温室ガス半減のサミット合意

 6月8日閉幕した主要国(G8)首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)で最大の議題となった地球温暖化対策は、一時は合意文書採択さえ困難視されましたが、最終的には消極論だった米国から譲歩を引き出すことに成功し、「2050年までに温室効果ガスを少なくとも半減させることを真剣に検討する」ことで合意しました。議長総括は、京都議定書に定めのない2013年以降の国際的な枠組みに関し、すべての主要排出国を含める形で2009年までの合意をめざすとスケジュールを示し、国連の場で交渉することも強調しました。議長国ドイツのメルケル首相の粘り強い説得や、初参加の日本の安倍首相の熱心な働きかけが、ともかく米国を合意に引き込んだわけで、6月11日の自民党役員会での安倍首相は、日本の主張が各国首脳の理解を得たことに大変満足げでした。
 問題はこれからで、来年は日本が議長国となって北海道・洞爺湖サミットが開かれます。「50年までに半減」も「真剣な検討」にとどまり、拘束力はなく、これを来年のサミットで米国のみならず新興排出国の中国やインドも巻き込み、拘束力ある削減の枠組みづくりができるかどうかが勝負です。今回、日本の提案を見事に採用させた以上、今後の枠組みづくりを主導して行くことは日本及び安倍首相に課せられた重い責務と考えます。