9月9日 (日)  199号

前回で述べた総括委員会の報告書は、敗因の分析を次のとおりとしていますが、これもほぼ納得できるものですから、要約し紹介します。
 敗北の直接の要因は「年金記録漏れ問題」、「政治とカネの問題」、「閣僚の失言等不祥事」の逆風3点セットであり、これが重なり合って続出し、累積効果を持って大逆風となったのはその通りで、赤城農水相のバンソウコウは政権のイメージダウンのダメ押しとなりました。安倍総理に対しても国民の側でなく永田町の側に立っているイメージがあり、国民から指導力・統治能力に疑問を呈されたのではないか、また、政府与党の政策の優先順位も結果として民意とズレていたのではないかと指摘されています。その他、一昨年の衆議院選大勝の反動とその後の強引と見える国会運営、構造改革の痛みの先にある将来展望を提示できないまま景気回復の遅れや地方財政の困窮等から「地方の反乱」が起ったこと、既存の党支持基盤が構造改革の進展や平成の大合併により弱体化し、統一地方選による選挙疲れや党の退潮傾向がそれに拍車をかけたとしています。
一方、民主党は一人区・地方重視の戦略をとり、バラマキ的な政策を打ち出して地方の不安・不満の受け皿となり、結果的に自民党の伝統的な支持基盤を侵食して勝利に結びつけたとの分析ですが、妥当な見方でしょう。