1月18日 (金)  235号

赤字地方債の発行へ

 政府が、平成19年度の地方財政対策として、赤字地方債の発行を認める方針を固めたことがマスコミに大きく報じられ、景気の冷え込みとそれに伴う地方財政の悪化を、広く世間に印象付けました。堅調と予想された日本経済が、サブプライムローン問題の拡大や原油高騰のなかで、株安、円高、物価高として変調を来しており、それが、弱気が弱気をよんで、日本株の独り負けなどの委縮状況が出て来ているのが心配です。
 さて、建設事業でなく減収補てんを目的とする地方債発行を認めるとすれば5年ぶりで、戦後3回目の異例の措置となります。というのは、ここ数年間公共事業の規模が減り続けて来たため、建設事業債だけでは減収分を埋め切れず、それ以外の経費にも充当せざるを得ない訳で、過去2回は、第一次石油ショック後の昭和50年度3400億円、景気が立直る直前ではあるものの不況感が強かった平成14年度の約1200億円です。政府筋によると、今回は都道府県は15道府県で約1400億円、政令指定都市は7市で約280億円、市町村は58市町村で130億円と総計80自治体で約1800億円の発行を希望しているようです。このうち、宮城、千葉、新潟、兵庫、岡山の5県は、減収補てん債が発行できなければ赤字転落との話です。また、景気の悪化は、国税も直撃し、この減収で地方交付税も2952億円減り、これは一般会計で穴埋めしますが、いずれも関係法案の改正が必要で、明日から始まる通常国会の大きな争点となるのは確実です。