1月24日 (木)  237号

再び暫定税率の撤廃について

 道路特定財源の暫定税率をどう扱うかが、通常国会の与野党の最大の争点となりつつあります。ガソリン税や軽油引取税などの道路目的税には、緊急の道路整備のため必要ということで、5年毎の暫定措置として、租特法等で基本税率の約2倍の税率がかけられていますが、放っておけば、これが今年3月末で切れてしまいます。切れれば確かにリッター当たり、ガソリンは25円、軽油は17円ほど安くなりますが、国と地方の税収は、合せて2兆6千億円減り、とくに地方自治体は自らの収入9千億円と、国から来る臨時交付金7千億円と補助金5千億円も減る計算で、2兆1千億円の大穴が空きます。予算に穴が空けばどうなるか、道路の
建設・管理や除雪、古い橋の修繕やガードレールの設置、バリアフリーの整備、開かずの踏切解消などができなくなるか、大幅に遅れます。自治体の首長、議員が大騒ぎしているのはその点です。
 日本のガソリン価格と税率は、世界の中ではOECD加盟30国中低い方から6番目で、税込リッター価格は155円、イギリスは225円、ドイツ223円、韓国は193円、アメリカは安くて96円です。しかし、安い方が良いのに決まっていますが、地球温暖化対策の観点もあります。今、必要なことは、原油価格引き下げの国際的な努力や、ムダな石油消費はつつしむことですが、一時の価格高騰のために、国・地方の財政を破綻させ、必要な道路整備ができなくなる事態も慎重に考えなけれ
ばならないでしょう。