Diary 2006. 11
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11月3日 (金)  126号

増田岩手県知事の4選不出馬が話題をよんでいます。私は、表明前日の10月29日、盛岡市で開かれた自民党岩手県連政経懇談会で増田知事と一緒だっただけに余計に驚きました。福島県など一連の不祥事で知事多選の弊害がきびしく指摘されている折ですから、首長の多選禁止論議を一層活発にしそうです。
 首長の多選禁止は議員立法で、それぞれ昭和29年、昭和42年、平成7年に国会に提出されましたが、憲法に定められた職業選択の自由などに抵触するとの批判や4年に1度選挙の洗礼を受けているから許されるとの意見が強く、いずれも廃案となりました。近時、埼玉県や川崎市などが条例で首長の多選の自粛を決め、自民党内も多選の首長の公認・推薦は見送ろうという意見が圧倒的です。現在、知事は5期が2人、4期が6人いますが、私も、今後も地方への権限移譲や税財源移譲を進めるとすれば、立法による知事等の多選禁止は避けて通れないのではないか、それは3期までか、まけても4期までが限度でないかと考えています。


11月7日 (火)  127号

「夫婦関係に関するアンケート調査」を民間の経済研究所が行い、その結果が先だって発表されました。それよれば、配偶者に不満がある夫45%、妻=66%、配偶者を信頼している夫=77%、妻=48%、配偶者は自分の思いを言わなくても理解してくれると思っている夫=77%、妻=51%となり、夫の方が夫婦関係を概して甘く考え、妻の方が関係を冷ややかに見ているような感じを受けます。熟年離婚の遠因もこの認識の差違にあるのかも知れません。夫婦ゲンカで先に怒り出すのは、夫、妻とも殆んど同じですが、仲直りで先に謝るのは夫=30%、妻=13%となっています。私も結婚して40年を超え、妻を信頼に足る真の「戦友」だと思って来ましたが、過去の夫婦ゲンカでは、まず私が先に怒り出し、結局は私が先に謝るケースが通例です。
しかし、一方、調査は、配偶者と一緒にいると心が安らぐ夫=89%、妻=73%、配偶者に感謝している夫=98%、妻92%という高い数字も出ています。私もこの点は全く同じ思いです。


11月10日 (金)  128号

教育基本法改正案の国会審議が進む一方、いじめによる自殺や高校における必修漏れの問題が大きく採り上げられ、その関連で教育委員会のあり方がまたまたクローズアップされて来ました。
教育委員会については、かねてから設置を選択制とすることが総合規制改革会議や地方制度調査会で提案され、とりあえず特区方式による試行が決まりましたが、まだ具体化されておりません。
 確かに、今の教育委員会は中途半端で、誰に対しても責任を持つようになっていないし、委員は名誉職となり、教育長や事務局は国の下請機関化し、都道府県教委と市町村教委の分担も判りにくく、首長との関係も整理されていません。
私の素人考えでは、教委は選択制を基本にするとともに、設置する場合には首長と教委が連携して責任を持つ体制とすることとし、国には、教育内容、教員の質と量、学校のガバナンス等についてナショナルミニマムをつくり、それをしっかりと担保する権限を持たせ、その他は地方自治体に任せることにすべきだと考えますが、如何でしょうか。


11月15日 (水)  129号

 NHKに対する命令放送問題が大きな論議をよんでいます。総務大臣は、放送法の手続に従い、すでに命令をだしていますが、いまだに新聞協会の抗議など、この問題は尾を引いています。私は自民党の通信・放送産業高度化小委員長として、命令は法律に基づくものであり、大臣としてそれなりの熱意は認められるので、了承しないことは穏当でないとして、党内多数の反対論を抑えました。
 私も総務大臣在任中、平成13年度、14年、15年度の3回、年度当初に命令を発しましたが、いずれも、@時事、A国の重要施策、B国際問題に関する政府見解、の3事項について放送を実施することを求めた抽象的な命令で、NHKの編集権に配慮し、個別具体の番組内容にまで踏み込んでいません。
今回は、年度途中に、3事項の放送において拉致問題に留意することを、追加で命令したという点が異例です。
 いずれにせよ、命令という表現は、報道・放送にはなじまないし、国費を出しているから命令放送だという今の仕組みがよいとも思えません。NHKの国際放送のあり方すべてを見直そうというこの時期に、命令放送も対象の一つにすべきです。


11月17日 (金)  130号

 郵政造反組の復党問題について、公的にも私的にも、色んな場所で色んな質問を受けて閉口しています。私は、この問題では一貫して、安倍政権のもとで、今迄なおざりにされて来た大きな政治課題−例えば、憲法改正、教育再生、公務員制度改革、道州制などの実現を図るためには、保守勢力の大結集が必要であり、それは郵政造反組だけでなく、他党所属でも、無所属でも、安倍総理の理念、政策に賛同するならば、わが党の手続、ルールに従って参加してもらうべきだと主張してきました。
とくに造反組とその支持者の方々は長い間自民党に貢献されたにもかかわらず、郵政問題というシングルイシューで党を追われ、現在政権が変わって復党を熱望されている以上、条件が整えばできるだけそれに応えるべきでないかと考えます。
年内をメドに落選組を含め一括復党が望ましいものの、選挙区ごとの事情や各都道府県連の意見も配慮する必要があり、柔軟な対応が求められるでしょう。その上で、国民の皆様に十分な説明責任を果たすことが不可欠です。


11月21日 (火)  131号

 私は、平成15年11月から自民党の自治体病院議員連盟の会長をしています。
衆議院議員だった奥野誠亮先生の要請で、その後任を引き受けました。自治体病院は、地域によって比重が異なりますが、最終的な地域医療確保の受け皿です。難しく言えば、都市部から離島等へき地にいたるあらゆる地域において、住民のニーズに対応した適切な医療を提供するとともに、総合的医療機能を基盤に、へき地医療、高度、特殊、先駆的医療等を担い、さらには医療従事者の研修の場としての役割を果たしています。しかし、現状はへき地・離島はもとより地域の拠点病院等にあっても、医師の絶対数が不足し、診療科による偏在も顕著で、とくに小児科、産科、麻酔科などの医師不足の解消は喫緊の課題です。また、医師不足に起因する医師の過重労働の問題は、一層深刻となっています。
 これについて、8月末、厚生労働・総務・文部科学の3省は「新医師確保総合対策」をとりまとめ、従前よりはるかに踏込んだ取組みを打出しましたが、残念ながら即効的でなく、実効性ももう一つの感じです。私は、思い切って医師免許の要件にへき地医療や周産期医療等への一定期間の従事を研修として義務付けることができないか、医師免許の要件にはムリでも、病院・診療所の管理者となる要件ならできるのではないかと考えますが、如何でしょうか。


11月24日 (金)  132号

 政府税調の論議が賑やかに報じられていますが、11月27日(月)から、真打である自民党税調の論議がスタートし、12月中旬の与党の来年度税制改正大綱の策定まで、連日ハードな論議が続きます。ところで、わが国の経済と財政を持続的に発展させるためには、経済成長を重視することは当然ですし、グローバル化のなかで、わが国企業の生産性の向上と国際競争力の強化を図ることは当然ですが、最近、中立であるべき立場の人達がこの路線を税制の問題だけに集約して、企業減税論の旗を振っているのは気になります。
 そもそも、企業の負担は税だけではない、国際比較をするなら社会保障と労働保険、人件費や地価など有形無形の負担をトータルで行うべきです。また、税制も法人税制だけでなく、全体の税のバランスで考え、法人税を減税するとすればその財源をどうするのか、わが国財政は4割以上が借金で賄われていることにも十分留意すべきでしょう。また、来年からは定率減税も全廃され、個人は負担増となる一方で、法人の減税論ばかりが出ることを国民が理解できるかです。そういう諸々を前提に、税制の抜本的・一体的改革のなかで法人税制の議論を大いにするなら、私も賛成です。


11月28日 (火)  133号

 今年の税制改革は例年に比べて課題が山積という感じではありません。強いて言えば、@金融証券税制(上場株式等の譲渡益・配当などの優遇税制10%の期限切れ)、A法人税制(減価償却制度のあり方、三角合併など)、B道路特定財源、という辺りが大どころでしょうか。減価償却制度など、今から方向性が決まったような話が流れていますが、税制の論議はこれからで、いずれも最終的には与党の責任において、しっかりと結論を出して行くことになります。
 税制の抜本改革については、今年の6月に自民党税調がまとめたように、論点のポイントは、@社会保障財源の安定的確保、A経済の国際競争力の確保と活性化、B子育て支援事業の充実、C地方分権の推進、の4つでしょう。増税論議の前に徹底したリストラ、歳出のカットが必要だと言われていますが、これは増税の際に限らず、常時不断の努力が求められるものです。消費税問題の本格的論議は一年先の来年年末にならざるを得ませんが、今年も消費税を含め、将来の国民負担のあり方全般について、自民党税調及び与党税協において正々堂々の議論がオープンに展開されることが期待されます。


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