Diary 2007. 11
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11月1日 (木)  214号

福田・小沢会談開かれる

 10月30日(火)午前10時からの福田・小沢両氏のトップ会談が話題をよんでいます。最初の短時間は自民・民主両党の幹事長、国対委員長も同席しましたが、その後は2人きりで小1時間話し込んだとされています。2回目の会談も11月2日(金)に予定されていて、国会での党首討論は延期となりました。お2人とも幅広い意見交換としただけで中身はないし、密約はもとよりないと言いながらも、時折思わせぶりなことを洩らされるので、臆測は拡がり、大連立か、早期解散・総選挙かと永田町はこの話で持ち切りです。
 衆・参が完全なねじれ現象なのはご承知のとおりで、与野党対決路線なら法案はスムーズに1本も通らないし、国会同意人事も簡単に行きません。この国の将来に大きく関わる安全保障も、社会保障も、財政再建なども、言い合うだけで合意形成の努力はなく、国益はなおざりとなる恐れがあります。そこで、ドイツのような大連立構想が出て来るわけですが、しかし、大連立がドイツのようにはうまく行くとも思えない、ちょっと考えても過去の経緯だけでなく、小選挙区制度、憲法改正など政策基盤、どれをとってもハードルは高いからです。
それを乗越えるよりも、むしろ十分な対話のなかで、政策ごとのパーシャル連合をめざすことが、はるかに現実的ではないかという議論も一理あるところでしょう。


11月7日 (水)  215号

小沢氏、辞意を撤回

 今回も、小沢氏一人にふり廻された一週間でした。10月30日(火)、第1回目の福田・小沢トップ会談が開かれ、大変な関心を集めましたが、中味なく、第2回目は11月2日(金)、休憩後の会談で大連立の提案があり、小沢氏は民主党に持ち帰ったものの、役員会で反対され、挫折。11月4日日)、小沢氏は記者会見し、代表に対する不信任だとして辞任を表明、それから役員中心に慰留バタバタ劇が5日(月)、6日(火)と続き、11月6日(火)夜、小沢氏は「恥をさらすががんばりたい」と辞意を撤回、一連の騒動は幕となりました。この経緯は何であったのか、どうも小沢氏の一人芝居、一人クーデターのような気がしてなりません。

 大連立については、小沢氏は福田総理が持ちかけたとし、福田総理はアウンの呼吸だと言っていますが、福田総理の性格、手法からして、大連立でなく、政策ごとの対話によるパーシャル連合を提案したのではないか、むしろ従来の思考パターンからすれば小沢氏の方こそ思い切った判り易い大連立を言い出したのでないかと私は感じています。また、新テロ特措法案の扱いや恒久法の考え方についても、一方で合意したと言いながら二人の言い分は相当に喰い違い真相は藪の中ですが、二人だけのトップ会談が常にアバウトなのはやむを得ないところです。


11月9日 (金)  216号

増田プランについて

 11月8日(木)の経済財政諮問会議で増田総務大臣は、地方再生戦略(増田プラン)の骨格を示しました。その構想は、地方税収の偏在を是正するとともに、それに伴う地方交付税の減額を避けるため、地方交付税に特別枠を設けることが中心となっています。少し前に、増田総務大臣から直接、地方税財政対策全般の話をお聞きしたとき、私は来年度予算では地方税を拡充するよりも、地方交付税の確保を優先する必要があることを強調しておきました。

 その点も配慮されたようで、まず偏在是正の具体策は、偏在度の大きい地方法人2税(事業税・住民税)を、小さい地方消費税と税額交換するというものです。
現在、消費税は1%の地方消費税の他に、実質1.2%相当分が地方交付税に組込まれて地方に廻っていますので、それを地方消費税に変えます。そして、その同額を地方法人2税から国の法人税に移管し、それを地方交付税として地方に配分します。国と地方の税収割合は変わりませんが、地方消費税が増えて偏在が減少し、不交付団体の税収が交付団体に移るため、地方交付税総額が減少します。そこで、地方交付税の特別枠をつくって、減少なくする案です。
少々手の込んだ面倒な案ですし異論もあるでしょうが、地方六団体もどうにか納得できるものでしょうから、私はやむを得ないと考えます。


11月15日 (木)  217号

自治体病院議連の顧問に

11月7日に開かれた自民党の自治体病院議連の総会において、奥野誠亮先生の後任として約4年間勤めた会長を辞任し、新たにできた顧問に就任しました。新会長は津島雄二先生にお願いし、引受けて頂きました。関係の皆様から身に余るお言葉を賜りましたが、お礼を申し上げなければならないのは私の方だとの想いでいっぱいでした。

自治体病院は、病院数1060で全病院の11.7%、病床数は25万床を越え、15.4%のシェアを占めています。地域に応じた適切な医療サービスの提供やへき地医療・高度・特殊・先駆的医療等をしっかりと担って来たことからも、わが国における地域医療の確保にはなくてはならない存在です。その自治体病院が、現在、絶対的な医師不足と診療料による偏在、とくに小児科、産科などの医師過少に呻吟しています。臨床研修制度のスタートや大学医局の崩壊がそれに拍車をかけました。この状況を打開しなければ、国民にとって最大の関心事である医療格差はさらに拡大します。

自治体病院議連は、この問題にこの数年間、真正面から取組み、政府・与党の認識を次第に変えて、医師確保の総合的対策が時間はかかるものの、ようやく動き始めたことを、私は大変誇りと思っています。


11月20日 (火)  218号

講演行脚と政局の行方

 このところ、講演行脚が続いています。11月12日は中日新聞の中日懇話会で浜松に、15日は内外情勢調査会の近畿支部総会で大阪に、17日は岡田直樹参院議員のなおき会セミナーで金沢に、19日は遠藤利明衆院議員の政経セミナーで山形に行って来ました。演題は「政局雑感」「これからの地方自治」等で1時間程度の講演ですが、皆さんの関心はやはり、今後の政局の動向にあるようです。
このところ、政局は目まぐるしく動き、参議院選挙以降、内閣改造と安倍総理の辞職、福田政権の発足、いわゆる「小沢の変」(大連立の仕掛けと挫折)、国会の混迷と予断を許さない状況が続いています。

 さて、今国会の最重要法案である新テロ特措法案の審議の見通しが立っていません。参議院での審議入りは19日は流れ、26日も難しいとの情報です。野党は、額賀大臣や久間氏に対する宮崎氏との同席問題などを大きく採上げることによって新テロ法案の会期内の審議未了を狙っているとの説があります。そうだとすれば新法成立には、国会を再延長し、1月12日の「みなし否決」を待って衆議院の3分の2の再議決しか方法がなく、そうなれば、野党は総理問責決議案を参議院に出す可能性があり、政局は一挙に緊迫した局面に突入しますので、11月22日、与野党の党首会談がセットされました。さて、結果はどうなりますか。


11月22日 (木)  219号

地方税収の偏在是正について

11月下旬となり、自民党税制調査会で、来年度の税制改正についての本格的な論議が始まります。それに先だって過日、党税調の中心メンバーによる非公式会合に私も招かれ、主として地方に係る税制問題について意見を開陳する機会を得ました。

まず、最近盛んに採上げられている地方税収の偏在是正ですが、地域の経済力に格差がある以上、地方税収に格差が出るのは仕方がないものの、地方法人2税の1人当りの税額が最大の東京都と最小の長崎県で、6.1倍となるのは開き過ぎでしょう。その是正を図ることに異議はありませんが、将来のあるべき地方税体系(グランドデザイン)に沿い、その先行としての位置付けが必要ですし、地方自治や税の原理原則に合うものであって欲しいと思います。その意味で、(国が)事業税を水平調整する案や、(国が)プールして譲与税として配分する案には賛成することはできません。私は今後は、地方消費税の充実を基本として、併せて地方法人課税のウエイトを下げつつ事業税の外形標準課税を拡大して行くことが望ましいと考えています。

地方法人課税と地方消費税の税額交換案には、地方一般財源を増額しようという発想がない上に、いささか判りにくく、実務的にネックはないか、地方関係団体の了解を得ることができるか等の難点があることを指摘しておきました。


11月28日 (水)  220号

全国女性消防団員活性化大会

 11月22日、熊本市で全国女性消防団員活性化熊本大会が開かれ、日本消防協会長として私も出席しました。前夜の21日夕方、熊本県知事、熊本市長、熊本県消防協会長などのご好意で、私ども日本消防協会幹部との夕食会が持たれ、熊本の藩主だった細川家の古料理を味わうことができました。
昔の資料の中の膨大なレシピから、現代にも合うものを選んだようで、違和感なく、おいしく頂きました。

 年1回行っている大会の方は、2400人参加、開会式の後、舞の海関の記念講演を聞き、代表者による意見発表、各団単位の寸劇などのアトラクション、閉会式、交流パーティと続き、活気があり大変な盛り上がりでした。現在の消防団員は約90万人、本当はそれより少し減っていますが、女性団員は少しずつですが増え続け、1万5000人となっています。かつて消防団員200万人という時代もありましたが、都市化、サラリーマン化、少子化の波に市町村合併があり、減り続けています。男性が増えないならば女性を増やすしかない、むしろ、地域社会に根付いている女性の方が防火防災、安全確保の上でふさわしい役割も多い、女性消防団員を10万人にしたいというのが私の悲願です。消防団を恰好よくしますので、元気な女性の方、是非消防団にご参加下さい。


11月30日 (金)  221号

「身分なき共犯」について

 11月28日午後、東京地検特捜部は、守屋前防衛次官を収賄容疑で、妻幸子さんを同容疑の共犯として逮捕しました。それは、守屋氏側が次官の権限を背景に、宮崎氏に多額の利益提供を求め、それに応じた宮崎氏側負担の十数回のゴルフ旅行の代金389万円がワイロに当たるとの認定によります。また、妻幸子さんは、ゴルフ旅行の大半に同行していた上に、宮崎氏側から妻名義の口座に二百数十万円が振り込まれていたことから、公務員でないとしても「身分なき共犯」に当たると判断したようです。「身分なき共犯」という言葉を始めて知りました。収賄罪は、公務員という身分が犯罪の構成要件ですが、公務員でなくてもそれに加担した場合は「身分なき共犯」として処罰の対象になるということです。

 予想はされていたものの、前事務次官が妻とともに逮捕されるということは、各方面に多大な衝撃を与えています。戦後の汚職事件で、事務次官経験者が在職中ワイロを受け取ったとして逮捕されたのは4人目、妻共犯というのは始めてです。いずれにせよ、真実は司直の解明を待たなければなりませんが、調達のあり方を含め防衛省の抜本改革は一日もゆるがせにできない課題です。


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