Diary 2007. 4
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4月3日 (火)  169号

 政府の発表によると、平成18年のフルタイム労働者の賃金(残業などを除く所定内給与、平均41.0歳)は、前年比0.1%減の301,800円と2年ぶりの減少となり、それは賃金水準の低い女性派遣職員など非正規雇用の増加によると分析されています。
男性(平均41.8歳)は、0.02%減の337,700円、女性(平均39.1歳)は0.04%増の222,600円でした。正規社員を100とした場合の非正規社員の賃金水準は男性が前年と同じく64、女性は1ポイント低下の69で、雇用形態による賃金格差は縮まっていません。また、パート労働者の時給は男性が1.1%減の1,057円、女性も0.2%減の940円でした。
 これをみても、非正規雇用が平成18年現在、約1700万人で全体の3分の1を占め、そのうちパート労働者が1200万人を越えた現状を是正して行かなければなりません。
政府は正規雇用拡大のための雇用対策法、パートタイム労働法の改正、増加している年長フリーター対策の充実や生活保護とのバランスも配慮した最低賃金の引き上げなどを進めていますが、必要なことは、格差縮小の強い決意と実行のスピードです。


4月6日 (金)  170号

 政府は、夕張市の教訓を生かした、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律案」を3月9日、国会に提出しました。しかし、国会審議はまだまだ先のようですが、できれば早い時期に成立させたい法律の一つです。これまでの地財再建法では、「再建団体」一つだけだった財政再建制度に、新たに「早期是正」を加え、これと「再生」の二段階で健全化を進めることを特徴にしています。全地方自治体に、毎年度、@実質赤字比率、A連結実質赤字比率、B実質公債費比率、C将来負担比率の4つの「健全化判断比率」の公表を義務付けるとともに、いずれかの比率が基準を上廻ると「財政健全化団体」「財政再生団体」として「財政健全化計画」「財政再生計画」の作成を義務付け、議会の議決を経て公表する仕組みです。
 政府は今年中に具体的な「基準」(政令)をつくり、平成20年度決算から適用するとしていますが、財政状況が悪化している地方自治体では「基準」をクリアするため、急いで財政再建に取り組まざるを得ず、それはそれで大変な効用だと考えます。


4月10日 (火)  171号

 平成の大合併以後、最初の統一地方選の前半戦が終了しました。ほぼ予想通りの結果で、首長選について言えば、石原東京都知事を始め、ほとんどが現職の圧勝でした。現職は知名度が高い上に、これまでの業績もあるし、日常活動が常時選挙運動につながり、有利なことは間違いありません。有権者も地方自治では変化を求めるよりも安定・継続を望むケースが多いようです。知事選の自民対民主の対決を3勝2敗とマスコミは報じていますが、民主は2県で相乗り、6県で候補者擁立ができず、これらは不戦敗と言うべきです。一方、議員の方は、数字上は自民党が減少、民主党が増加ですが、無所属扱いで当選した自民党系議員がかなり居て、実体は自民党は現状維持に近いでしょう。
 いずれにせよ前半戦の審判は終わりました。後半戦は4月22日が投開票日です。
平成の大合併による市町村議員の大幅な減少、選挙区や定数の相当な変更が自民党・与党にとって少なからざるマイナスだという指摘があるなか、合併を主導した私には今回の統一地方選の帰趨は大変に気になるところです。


4月13日 (金)  172号

 政府・与党は、4月13日朝、官邸で公務員制度改革に関する協議会を開き、改革案について基本合意をしました。安倍総理訪米前に法案の国会提出をめざし、これから法制化作業を加速します。私は自民党の公務員制度改革委員長として、常に渦中にあり、政府の立場は立場として、党の意見をどのように改革案に生かすか腐心して来ました。党の心配は、大きくは第一に早期勧奨退職を存続せざるを得ない中で、省庁による再就職あっせんを一切禁止し、官民人材交流センターに一元化して、センターとの間を遮断するとすれば、果たして機能するかどうか、しなければ人事は停滞し、モラールは衰え、良き人材は来なくなるという懸念であり、第二には公務員制度全体の今後のあり方、今回は能力・実績主義と退職管理の適正化を先発させるとしても、パッケージとして改革の全体像を示す必要があるという主張であり、いずれも、もっともです。
 私は、4月11日、官房長官と大詰めの調整をし、基本合意の中に現在の省庁の再就職あっせんによる弊害は断固として排除しつつも、情報提供面における省庁の協力及びセンター設置後の見直しと必要な追加的措置を盛り込むとともに、プログラム法として国家公務員制度改革基本法案を次期通常国会に提出することを明らかにしたところです。


4月17日 (火)  173号

 先週は、参議院補選の応援として、各種団体代表に集まって頂いての総決起大会を2回、行いました。
 4月11日(水)は福島市で、14日(土)は那覇市で、参議院自民党の青木議員会長以下、比例代表選出議員を中心に、約30名が大挙して出向き、現地の議員も加わり、いずれも千名以上の出席者で盛り上がりました。
 青木会長と私が長目の挨拶で、この大会の趣旨、補選の重要性や争点を語り、選対本部の状況報告、県連会長、公明党代表の挨拶の後、出席議員がそれぞれ関係する団体を念頭に行う応援の1分間スピーチが、結構面白くて聞かせました。
 候補者の決意表明も力強く、良い雰囲気でしたが、さて問題は結果です。
 今回の補選は、7月の参院選本選と一体の前哨戦であるだけでなく、本選の結果を左右する重要な意味を持っております。
 今、参議院の与野党の議席差は30ですが、この2議席を与党が獲得すれば、34と開きます。
 本選での勝利の負担がそれだけ軽くなり、ゆとりを持って戦うことができることになります。
 福島県、沖縄県とも与野党総力を挙げての激戦ですが、我々は勝利のため、最後までゆるまずがんばり抜かなければなりません。


4月20日 (金)  174号

 政府は先だって、昨年10月1日現在の推計人口を発表しました。
 総人口は1億2777万人で前年比2千人増、一昨年の国勢調査で減少に転じた総人口が微増したことになります。
 日本人人口が5万1千人減ったものの、外国人などの入国者(162万人)が出国者を上回ったため総人口は増の結果が出ました。
 特記すべきは、昭和生まれが1億人を下回ったことで、昭和59年に1億人を突破し、ピークの平成元年には1億522万人、それが徐々に減少、ついに大台割れの9997万5千人となりました。
 平成生まれは2081万7千人、大正生まれは662万2千人、明治生まれは35万5千人です。
 また世代別では14歳以下が13.6%と戦後最低となる一方、65歳以上は20.8%で戦後最高、とくに90歳以上は115万5千人と前年比7万4千人増え、高齢化の進展はノーブレーキです。
 昨年は昭和46年〜49年生まれの「第二次ベビーブーム世代」の出産増で子どもが増え、特殊合計出生率も1.3以上との見方ですが、今後は出産期を迎える女性の人口が急減しますので、予断を許しません。
 少子と高齢化をお伴にした人口減少の流れを、いかなる対策でどう断ち切っていくか、正に国民的な課題と言ってよいでしょう。


4月24日 (火)  175号

 4月22日、統一地方選の後半戦と参議院補選が終了しました。
 結果はご承知のとおりですが、注目の参議院補選は、沖縄が与党の勝利、福島県が民主党の勝利で1勝1敗でした。
 もともと2つとも野党の議席ですので、与党は1つでもとれれば儲けものということでしょう。
 福島県の方は、与党側に出遅れと知名度不足があり不利というのが定説で、その通りとなりましたが、沖縄県の方は、条件がほぼ同じで、与野党ガップリ4つの総力戦となりました。
 それを与党が制したこと、言い換えれば1人区で野党共闘に力勝ちしたことは、本選でのハードルを下げた以上に、全般の戦いに良い影響を与えるものと私は思っています。
 また、長崎市長選、凶弾に倒れた市長の補充立候補に娘婿氏と市役所の課長氏が立って、大激戦となり、最終的には課長氏が競り勝ちました。
 議員ならともかく、首長の世襲には抵抗が強いということかも知れませんし、娘婿氏が地元出身でないこともマイナスになったと思われます。
 この市長選は、補充立候補の期限と投票日や期日前投票のあり方など、公選法上多くの問題を惹起しました。早急な検討が求められます。


4月27日 (金)  176号

 さる4月21日、私は岡山県農業会議会長とし、県内の20歳代〜40歳代の農業後継者40人ほどと懇談の機会を持つことができました。
 農政改革として、政府が本年4月から実施しようとしている、@品目横断的経営安定対策、A米政策改革推進対策、B農地・水・環境保全対策などを中心に話し合いましたが、それぞれにもっともな意見があり、また、温度差はあるにせよ、農業の先行きに悲観せず、苦労は苦労としながら、それなりの夢と希望を持っていることに感心しました。
 今後も時々会って話すことを約して別れましたが、爽やかな一刻でした。
 その時も話に出ましたが、民主党の農業政策、とくに生産費と市場価格との差額をすべての農家に支払う戸別所得補償制度や、貿易自由化を進めながら国内で必要最小限度のカロリーを完全自給するという主張は、凡そ実行不可能でナンセンスなものだという結論になりました。
 さらに極論すれば、民主党案は、農業の構造改革を押しとどめ、国際規律を無視し、消費者ニーズと無縁な生産を助長し、税金を使い放題にするものです。公党としてもう少し勉強する必要があると私は思います。


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