Diary 2006. 9
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9月1日 (金)  108号

今回の公式訪問国の1つはパナマでした。人口312万人、面積は北海道よりやや小さく、この国は、パナマ運河で有名ですが、大使の話では、シンガポールのような、金融、サービス中心の国をめざしているとのことでした。カスティージョ国会議長始め国会役員と意見交換をし、昼食もとりましたが、すべてTVの生中継で放送されました。
 パナマ運河は、大西洋と太平洋をつなぐ全長約80q、最小水路幅192mの閘門式運河です。
運河中央にガトウィン湖(人工湖で、湖面の高さは海抜26mで海面より高い)があり、運河を通航する船舶は、閘門により3段階にわたり、湖面の高さまで上げられ、また海面まで下げられて通過します。この運河は1914年、米国により完成され、以降、米国の管轄下にありましたが、1999年、パナマに返還、2000年から運河に関するすべての責任をパナマ政府が負うことになりました。最近、アジア発米国東海岸向け貨物の伸びを背景に、2007年から7年かけて約6000億円を投じ、運河を拡張する計画が発表され、10月22日に、その是非を国民投票で決します。日本は、米国、中国に次ぐこの運河の利用国ですから、この先行きには無関心ではいられないところです。


9月5日 (火)  109号

 今回の公式訪問の最後は、アメリカのフロリダでした。フロリダ州の愛称はサンシャイン・ステイト(Sunshine State)ですが、正に海に面して、太陽がいっぱいのところです。ちなみに、フロリダ州の名前は、16世紀スペイン人入植時に「花咲くところ」と呼ばれたことに由来し、マイアミの名前はインディアン語の「甘い水」という意味です。フロリダ州の面積は日本の約4割、人口は約1780万人で、全米第4位(まもなく、ニューヨーク州を抜いて第3位とのこと)、州内総生産は全米第4位、世界経済においては第14位の規模で、雇用増加率は全米第1位です。マイアミ都市圏は、人口約240万人、キューバなどヒスパニック系が目立ちますが、街ではいたるところクレーンが立つ建築ラッシュで、大変活気があります。
 マイアミ市街から車で約40分のエバーグレーズ国立公園を視察しました。施設らしきものは何もなく、直ぐエアボートに乗りましたが、これが最高速度90qで結構速い、しかし、国立公園は広大無辺、東京都の3倍の広さで、行けども行けども水草の湿地帯には驚きました。ユネスコの世界遺産に指定され、野生動植物の宝庫と聞きましたが、とくに各種の鳥と200万頭いるというワニには堪能しました。やはり、日本とはスケールが違います。


9月8日 (金)  110号

 岐阜県庁の約17億円にのぼる巨額の裏金問題が深刻です。昭和40年代から、県庁全体で裏金づくりが進められ、情報公開条例が施行される前の平成4〜6年度には、各4億6600万円に上ったとされています。平成11年、当時の副知事の指示で監査の対象とならない職員組合口座への裏金の集約が始まり、集約されなかった分は、お互いの飲食などに使われたほか、焼却したり、破棄したとされますが、本当なのかどうなのか。
 本年7月にこれらが発覚、県は内部調査を開始、第三者機関の検討委員会の報告書も出、組織ぐるみの隠ぺい工作が明らかにされる一方、調査をしなかった前知事の責任も指摘されましたが、退職者の処分はできないうえ、刑事告発の対象者も既に大半は公訴時効が成立していて、せいぜい裏金の返還が中心となりそうです。
 私は自民党きっての地方派と自負していますが、今回の事件は大変に残念です。
地方自治や地方分権に対する国民の信頼を大きくゆるがし、今後の地方への権限移譲や税財源改革のブレーキになると思われるからです。地方自治体における自浄システムの強化、首長の多選禁止、必要な交際費的なものの予算化など、多岐にわたる再発防止策が早急に検討されなければならないでしょう。


9月12日 (火)  111号

 自民党総裁選が、9月8日告示され、予想通り、安倍晋三、谷垣禎一、麻生太郎の3氏が立候補しました。
 9月20日まで、活発な政策論争の展開が期待されるところですが、段々3氏の論議の歯車が、かみ合って来たような気がします。
 今のところ、アジア外交や消費税を巡る論争では、安倍氏と麻生氏が足並みを揃え、谷垣氏が違いを明らかにすべく、独自色を打出す場面が目立ちました。
 しかし、地方格差への対応や公共事業を巡る論争では、地方票を意識してか、「小泉改革」の継承を唱える安倍氏を含め、3氏がそれぞれ「脱小泉」色を競い合う形となっているのが注目されます。
 ただし、報道によれば、3氏とも「都市と地方の格差」を認め、その是正を唱えているものの、そのための提案が具体的でなく、「地方交付税の基準見直し」にしても、「ふるさと共同税」にしても、「道州制の導入」にしても、やや思い付きの感があり、練れていないのは残念です。
 若い人が進んで地方へ帰り、地方それぞれが、自立の強い意欲を持ち個性を競うような、具体性のあるパンチの利いた地方活性化策が論議されれば、総裁選は国民のより大きな関心をよぶことと思います。


9月15日 (金)  112号

 9月9日(土)11時半から、岡山市内のホテルで、岡山県消防協会主催の、私の日本消防協会長就任祝賀会が開かれました。知事、県議、市町村長、消防団長、経済人、各種団体の長ら600人を越えるお忙しい皆さんに集まって頂き、感激しました。祝賀会は、今回で3回目です。第1回は7月14日(金)夜、同じホテルで、こちらは岡山市消防協会主催、約500人出席、市長、市議の他は消防団長、分団長、婦人防火クラブなど消防関係中心で、始めて会う人が多いわりに、アットホームで楽しい会でした。2回目は東京で7月18日(火)夜、有志の発起人会主催で約1000人、安倍、竹中氏ら閣僚、武部、中川、青木氏ら党役員、国会議員、地方六団体、消防関係者、経済界、マスメディア界など多数ご出席頂き、タレントの大沢親分、水善寺清子さんらも応援にかけつけ、賑やかでした。
 いずれの会でも、私はお礼の挨拶で、これからの国民の最大の願いは、安心・安全の確保であり、それは消防団がしっかり担って行くべきであること、また、コミュニティの再生が急がれるが、その中核の1つに消防団がいなければならないことを述べ、そのために消防団の充実・強化が不可欠で、現有90万人を、常備の16万人を含め119万人に増やす必要があることを訴えました。私もがんばります。


9月19日 (火)  113号

いよいよ、自民党総裁選が明日となりました。安倍、谷垣、麻生3氏の争いですが、早い時期から、メディアの調査による安倍氏の支持率が突出し、それが安倍氏独走と報じられ、安倍氏圧勝のムードが定着して、支持勢力に雪崩をうち、総裁選が消化試合風となって、国民、党員の関心がもう一つだったのは残念です。しかし、いずれにせよ、新総裁は明20日に決まります。
 新総裁は9月26日には総理となりますが、まず行わなければならないのは、党と内閣の人事です。人事というのは簡単ではありません。私も役人時代、人事の経験があり、総務大臣や参議院幹事長としても人事をやって来ましたが、人事は喜ぶ人より、不満に思う人が圧倒的に多くなる、自分では、皆の意見を聞き、公平に、客観的に、神のごとき心境でやったつもりでも、色々な意見、批判が噴出し、時にはゴタゴタします。
 新総理・総裁には、これから国会と選挙という大きな試練が待ち受けています。それを乗り切るためには、挙党体制と適材適所、さらに言えば、老・壮・青のバランスのとれた人事を行い、党内外の納得を得ることが必要です。ただし、言うは易く、行うは難しですが。


9月22日 (金)  114号

 9月20日、自民党総裁選の投開票が行われました。結果は、安倍晋三氏464票(議員票267,党員票197)、麻生太郎氏136票(議員票69,党員票67)、谷垣禎一氏102票(議員票66、党員票36)でした。安倍氏は、目標だった70%には達しなかったものの、議員票、党員票ともに66%を獲得して、大差の圧勝ということで納得でしょうし、麻生氏は目標の3ケタをはるかにオーバーし、谷垣氏を押さえての2位で面目を保ちましたし、谷垣氏も全体の一割の70票を取れればという目標を大きく超えて3ケタになり不満はないと思われます。3氏とも満足で、麻生、谷垣両氏は大健闘という絶妙な結果となりました。
メディアは、選挙中の安倍氏の参院選公認候補見直し発言により、参院票が安倍氏から他の2氏へ流れてこの数字となったと言っていますが、勝たせ過ぎはさせないという総裁選特有のバランス感覚が、今回も最後に議員間に働いたと考えます。いずれにせよ総裁選は終りました。後は安倍新総裁のもと、党が一致結束、国民のためにがん
ばり、良い総裁を選んだという結果を出すことが大切です。


9月26日 (火)  115回

 少子化対策が喧しく論議されているなかで、政府は将来の特殊合計出生率を現在の1.25から1.40程度まで高める目標を新設する方針だと報じられています。
それにより、目標達成に係る少子化対策予算を来年度から計画的に確保していくことと、現在の年金制度が想定する給付と負担の水準が今後とも維持できることを明らかにする狙いがあります。何故1.40かについては、@現在の年金制度が基準とする将来の出生率が1.39、A現時点で、ほぼ出産が終わった世代の出生率は1.5台−などから、これから実現できる目標としてこの程度が現実的と判断したようです。
 少子化対策としては、よく指摘される「結婚・育児とが両立できる労働環境の整備」や「減税や児童手当で、子育てにかかる経済的な負担の軽減」などだけでなく、少子化阻止の根本は、家族や家庭に最高の価値を見出す認識を、もう一度国民すべてに持ってもらう努力が必要だと考えます。


9月29日 (金)  116号

 安倍晋三氏は、9月26日(火)午後、衆・参本会議の首班指名を受けた後、直ちに組閣に着手し、同日中に安倍新内閣が発足しました。私も党5役として組閣本部に入りましたが、小泉時代と同じように、閣僚等はすでに決められており、呼び込まれた閣僚へ、総理がポストを提示するのに立ち会うのが組閣本部メンバーの主な仕事になっています。閣僚になった方はいずれも、現し方は違っても嬉しさ一杯で、ご同慶の至りです。
 新内閣の顔ぶれについては、安倍総理はよく考えて選んでいると思いました。それなりに適材適所で、実務型、老・壮・青のバランスもまずまずです。
しかし、安倍総理は若いにもかかわらずしっかりしていて、メディアが一斉に報じているように、古い知り合い、盟友、総裁選挙で安倍圧勝に貢献した人への配慮をきっちりと優先しました。いわゆる「勝ち組仲良し内閣」ですが、ここは安倍総理に気の合った人達がチームを組んで、思い切ってやってもらうのも、与党として一つの選択かも知れないと考えます。


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